ここでは、私たちの身近な段ボールについて、詳しく説明します。
段ボール用原紙
段ボール用の原紙とは、段ボールを作るために使用される紙のことです。正確には板紙に属し、次のように大別できます。
ライナ | 中しん |
フラットに使用される原紙のこと | 波状に段成形された原紙のこと |
ライナの種類について
ライナ |
・クラフトライナ(Kライナ、クラフトパルプ+故紙) ・ジュートライナ(Cライナ、故紙) |
Kライナの重量について
k5 170g/㎡ | k6 210g/㎡ | k7 280g/㎡ |
Cライナの重量について
c5 160g/㎡ |
このように、同じ坪量(g/㎡)であれば、Kライナの方が品質は優れているということになります。
中しんの種類について
中しん |
・SCP中しん(セミケミカルパルプ) 120g/㎡ ・特しん(SCP+故紙) 160g/㎡、180g/㎡、強化180g/㎡など |
同じ坪量(g/㎡)であれば、SCPの方が品質は優れています。そのため特しんは、坪量を増加することと、薬品を添加することによって強度アップを図っているのが通常といえます。
段ボールの構造について
段ボールの代表的な構造は、ライナと中しんの巧みな接合によって作られています。なので、構造力学から見ても、非常に優れた形状を構成しています。
「段」について
段ボールの厚みのある紙の中にある、波形部分を「段」と呼びます。また、この段のことを英語でフルート(flute)と呼びます。
現在、世界中で使用されている段の種類について説明します。
用途別
外装用 | A,B, Cフルート |
内装用 | B,マイクロフルート |
個装用 | マイクロフルート |
特色
Aフルート | 単位長さ当たりの段の数は最も少なく、段の高さは最も高い。比較的軽い内容品の包装に適し、大きな衝撃の吸収性と強い圧縮強さを発揮する。 |
Bフルート | 単位長さ当たりの段の数は最も多く、段の高さは最も低い。比較的重 く、硬い内容品の包装に適し、缶詰類、ビン詰類の包装に多用されている。 また、段が硬くつぶれにくいという特性を利用して、打抜き(トム ソン)加工をした複雑な組立て箱としても多用される傾向にある。 |
マイクロフルート | 従来の段ボールが輸送用として使用されてきたのに対し、個装用を対象として開発された新しいミニ段の総称である。 |
段ボールの種類
段ボールの種類は、ライナ・中しん・フルートの種類をどのように組み合わせるかによって、段ボールの強度、特性が異なってきます。
構造上からの分類
片面段ボール | 片段 |
両面段ボール | A段、B段、E段 |
複両面段ボール | AB段(ダブル) |
複々両面段ボール | トライウォール |
※上記以外の形式は木型(トムソン)が必要になります。
片段は、このまま箱にして使用されることはほとんどなく、ほとんどの場合、緩衝材や固定材として使用されることが多くあります。
箱として使用される割合が世界中に最も多く、段ボール箱の主流となっています。
箱として使用される場合は、昜損品や重量物、また長期間にわたって保存される内容品、青果物のように含水率の多い内容品の包装に多用されています。
段ボール箱の種類
段ボール箱の基本形式
A式
B式
C式
たとう式(奴)
巻込式
※上記形式は寸法によりますが、木型なしで製造が可能です。
A式
世界中で、外装用段ボール箱を代表する形式です。
私たちの生活に馴染のなる、みかん箱タイプのような形が一般的です。
B式
フタと底が差し込みになっているタイプです。あまり丈夫ではないので、軽い物や小さい物などの内装用として使用されます。
C式
洋服箱や衣装箱によって代表される形式で、必ずフタと身からなりツーピース以上で構成されます。
箱を折りたたんで保存できないという欠陥があるので、多量に使用される外装用として使用されることは少ないです。
たとう式
継ぎしろなしで組み立てて使用できるのが特色です。高さ(H)の低いケース、郵便小包用、書籍など小物包装に使用される形式です。
巻込
たとう式と同様の特色がある「巻込」です。
段ボールに印刷されているケアマークについて
段ボールに印刷されている注意喚起を意味する「ケアマーク」には、さまざまな種類があります。ここでは、その一例を掲載いたしますので、ご参考にしてください。